幾何学的な基準を使った水素結合推定を、以下のようなスクリプトをhbond.shとして作成し、実行できる。この水素結合の判定ではAccepterとDonarの距離$x_{\rm AD}$とAccepterとHydrogen、Donarがなす角$\theta_{\rm AHD}$によって決定される。この判定基準の値は、デフォルトでは$x_{\rm AD} < 3.0$、$\theta_{\rm AHD} > 135°$である。しかし、取り扱う残基の種類や、環境によってその値が適切かどうかを検討することを推奨する。

cpptraj <<EOF
parm test.prmtop # シミュレーションに使用したパラメータファイルを読み込む
trajin main.mdcrd 1 last 10 # 1フレーム目から最後のフレームまでを10フレーム間隔で読み込む
hbond all solventdonor :WAT solventacceptor :WAT out ファイル名.dat angle 135 dist 3.0 avgout ファイル名.dat series uuseries ファイル名.gnu uvseries ファイル名.gnu # 全ての原子について水素結合のペアを計算する
EOF

この時、allとして全ての原子について指定しているが、“solventdonor :WAT solventacceptor :WAT”の記述を加えなければ、溶媒は含まれないことに注意されたい。ここでoutによって書き出されるdatファイルには、水素結合の各時間の総数が書き出される。ファイルの中で、UUは溶質-溶質間、UVは溶質-溶媒間、そしてBridgeは複数溶質-溶媒間での水素結合を意味する。avgoutによって書き出されるdatファイルは、それぞれの水素結合ペアのシミュレーションに渡っての平均値が記載される。seriesの後に指定したファイルには、それぞれの水素結合ペアの水素結合数の時間発展がgnuファイルとして書き出される。以下にチュートリアルのトラジェクトリーを使用して例として、溶質-溶媒間の水素結合数の時間発展を示した。水和状態では大体どの残基も一個程度の水素結合の開裂を繰り返しているということが分かる。


参考文献
http://ambermd.org/doc12/Amber16.pdf