インプットファイルの作成
本記事ではインプットファイルの作成についての解説を行う。
インプットファイルの作成には以下が必要となる(それぞれ外部リンクになっている。トポロジーファイルは(charmm36m)
また、以下のURLにイリノイ州立大の研究室が作成したNAMDチュートリアルがあるため、そちらをインストールしておいて練習しても良いだろう。
http://www.ks.uiuc.edu/Training/Tutorials/namd-index.html
インプットファイルを作成するには、タンパク質のpdbファイルを入手する(作成する)必要がある。
本チュートリアルでは、https://www.rcsb.org/にあるタンパク質の中からPDB ID:6PTIを使用する。
最初に、PDBファイルをダウンロードし、psfファイルを作る前の準備としてタンパク質以外の残基を取り除く。
$wget https://files.rcsb.org/download/6PTI.pdb $grep -v '^HETATM' 6PTI.pdb > bpti.pdb
以下のコマンドを実行し、力場ファイルをダウンロードしておく。
$wget http://mackerell.umaryland.edu/download.php?filename=CHARMM_ff_params_files/toppar_c36_jul17.tgz $tar -zxvf toppar_c36_jul17.tgz
次に以下のスクリプトファイルbpti.pgnを作成する。このスクリプトをVMDで実行することにより、psfファイルが作成される。
#bpti.pgn package require psfgen topology ./topper/top_all36_prot.rtf pdbalias residue HIS HSE pdbalias atom ILE CD1 CD segment U {pdb bpti.pdb} coordpdb bpti.pdb U guesscoord writepdb bpti.pdb writepsf bpti.psf
上記のファイルbpti.pgnが作成出来たら、以下のコマンドを実行する。
$vmd -dispdev text -e bpti.pgn
以上の手順によりpsfファイルが作成される。
次にシステムへの水の印加とイオンの中性化を行う。
VMDを起動、Extensionタブをクリックし、Tkコンソールを起動する。
このTkコンソール上で以下のコマンドを実行する。
package require solvate solvate bpti.psf bpti.pdb -t 10 -o bpti_wb
これはタンパク質から10Åの範囲の立方体に水を印加することを行っている。
また、水の初期配置を立方体に設定したい場合はタンパク質を中心に設定した上で、以下のようにする。
package require solvate solvate bpti.psf bpti.pdb -minmax {{-30 -30 -25} {30 30 30}} -o bpti_wcube
最後のステップはシステムの中性化である。
システムの中性化はカウンターイオンの付加によって行われ、これは静電ポテンシャルの計算に使用されるParticle Mesh Ewald法に必要とされるものである。
Tkコンソールから以下を実行する。
package require autoionize autoionize -psf bpti_wb.psf -pdb bpti_wb.pdb -is 0.1 -o bpti_wb_ions
以上で入力ファイルの設定は終了である。
多少書き足りていない部分や説明すべきオプションの説明があると思われるので近いうちに再更新を行う予定である。