VMDではTk Consoleを用いてMDシミュレーションのための初期構造作成や、表示の編集ができる。以下では、例によって頻繁に使用するTk Consoleでのコマンドと表示の編集を解説する。

1. atomslect

prという名前で読み込んである系内のproteinを構成する原子を選択する。

set pr [atomselect top protein]

2. moveby

prをその重心座標へ移動し、その後{10 10 10}だけデカルト座標空間上で構造を動かす。measureとvecinvertは後述してある。

$pr moveby [vecinvert [measure center $pr weight mass]]
$pr moveby {10 10 10}

3. move

1残基目と40残基目のCαを結ぶ直線を軸にprを10度回転させる。

set ca [atomselect top "name CA and residue 1"]
set cb [atomselect top "name CA and residue 40"]
$pr move [transaxis bond $ca $cb 10 deg]

4. measure

measureによって幾何中心・重心やその構造が持つデカルト座標上の最大値と最小値を取得できる。

measure center $pr # 幾何中心
measure center $pr weight mass # 重心
measure minmax $pr # 最大値・最小値

5. get, lindex

getによってpr内の原子座標を取得できる。lindexによって、その原子座標の配列のあるindexの値を取得できる。ここでは、prの0番目の原子の座標をcoordとしてsetしている。

$pr get {x y z}
set coord [lindex [$pr get {x y z}] 0]

6. vecinvert

vecinvertによって、指定した座標を逆符号の値に変換する。以下では重心座標の逆符号への変換を例示した。

vecinvert [measure center $pr weight mass]


1. 二次構造を常に更新して表示する

VMDでトラジェクトリーの分子の二次構造をGraphicsのGraphical representationsで可視化する際に、以下のコマンドを用いることによってトラジェクトリーのフレーム毎に二次構造を計算・表示するように設定できる。

proc structure_trace {name pr op} {
      vmd_calculate_structure $pr
}
trace variable vmd_frame w structure_trace

2. シミュレーションボックスを表示する

100×100×100のシミュレーションボックスを作成する。ここで、pbc boxのオプションで-center originとすれば中心がデカルト座標上の原点となる。また-colorを変更することで、ボックスの辺の色を変更でき、-styleでlines, dashed, arrows, tubesの4種類の描画スタイルを設定できる。

set cell [pbc set {100 100 100} -all]
pbc box -color black -width 1